理事長・病院長よりご挨拶
理事長 丸山 和敏
当院は丸山大司が昭和34年に小県郡丸子町上丸子(現上田市上丸子)に丸山医院を開業したことに端を発します。昭和40年に丸子中央病院となり、その後4期の増築工事を経て昭和60年には総合病院の認可を受け330床の「丸子中央総合病院」に名称変更しました。
丸山医院開業から50年が経過し、超高齢化など社会構造の大きな変化によって地域や医療の在り方が大きく変わりました。その変化に対応するために病院は平成25年8月、上田市中丸子に新築移転しました。同時に新病院の名称を「丸子中央病院」に戻し、開業当時の原点に立ち返り地域に根ざした病院を目標に再スタートしました。療養環境も大事な治療と考え廊下と病室はゆとりあるスペースを確保し、大きな窓を配置した病棟の食堂からは浅間山、烏帽子岳を望めます。健診部門は9階に配置し、ホテルのロビーのようなゆったりした空間を目指しました。検査の後の食事は病院専属の山田康司シェフによる料理を提供し、多くのドック受診者の皆様より好評を頂戴しております。また9階のレストランでは平日に限りますが、一般の方にも山田康司シェフのランチを味わって頂いております。
医療の質を高めるため、公益財団法人日本医療機能評価機構による病院機能評価3rdG:Ver.2.0の認定を受けました。また、一般の方を対象とした心肺蘇生法の普及活動「PUSHプロジェクト」も実施し、地域の救命率向上に取り組んでいます。
令和元年(2019年)に確認された新型コロナウイルス感染症は、翌年から世界的に大流行となりました。日本でも感染者が増え続け、当院は令和2年4月から発熱者専用診察室を設置しPCR検査体制を整え、感染者の診療をいち早く開始しました。また病棟・病室を一部改築し陰圧空調を設置し感染者の入院治療も対応してきました。令和5年5月より新型コロナウイルス感染症は五類感染症に分類変更となりましたが、その後も感染者は減少する事もないため、当院は変わらず診療体制を継続しております。この4年間で発熱者に対しては施行したPCR検査は6,600件、抗原定量検査は17,500件を超え、定性検査などを合わせて延べ数は30,000件弱に達し、現在も診療を続けております。
地域貢献として様々な地域のイベントに積極的に参加や協力、或いは主催者として開催しておりましたが新型コロナウイルス感染症の影響により多くの活動は休止しておりました。このような状況下でもオンラインでの市民公開講座やYouTubeを使って医療情報の提供を続けておりました。今後は新型コロナウイルス感染の状況を見ながら以前のように地域との連携を強めていきます。
昨年から始めた約120種類の薔薇を集めての「ばら祭り」は多くの方が見学にお越し頂きご好評を頂き今年も開催を予定しております。8月末には毎年恒例の「花火大会」も開催し地域の方々に笑顔を提供したいと考えております。また株式会社ツルヤ様と共同で山田康司シェフによる栄養のバランスを考えた、体に優しい美味しいレシピ「いきいきレシピ」をご家庭にお届けしています。
開院から65年が経過し、地域に即した医療・介護サービスは勿論、それ以外の分野でも当法人の理念である「地域のしあわせ創り」に全力で取り組んでまいりますので引き続き御支援、御協力をお願い申し上げます。
特定医療法人丸山会
理事長 丸山 和敏
病院長 勝山 努
いずれの病院でも同様でしょうが、過去4年間、当院もご多聞に漏れず、新型コロナウイルス感染症対策に忙殺されてきました。これほど長い期間、病院職員の皆さんとともに、何とも言えない緊張感に包まれて過ごしましたが、これは私にとっても初めての経験でした。
当院は、発熱外来、PCR検査、抗原定量検査などの体制を長野県内でも先頭を切って整備することができましたし、感染症患者受け入れも最大4名ではありましたが、昨年4月一杯まで継続できました。また、ワクチン集団接種を担当し、信州大学医学部などから医師の派遣を受けながら、病院内で、あるいは企業などへ出張して、延べ4万人余に実施でき、地域の病院としての責務を果たすことができたのは幸いでした。また、このような異常事態に対応できる人材、特にICD、ICN、ICT、介護福祉士がしっかり育っていたこと、さらには一部の職員がこの経験を論文化し、あるいは修士論文としてまとめることができたことは、当院の目標に掲げられている「人材育成」方針が機能していた証しと言えるでしょう。この間、病棟で小規模なクラスターは発生しましたが、いずれも数名程度で収束できました。なお、何事についても決定が迅速に行われる私立病院の長所をこれほどありがたく思ったことはありません。
この4年間の経験を総括すると、当院では各分野で人材が育ち、巣立ち、そして感染症対応診療機能、設備が整備されました。この資産をさらに育て、今後の診療体制の強化につなげることが大切と考えています。
さて、この4年間に、小児科、皮膚科に常勤医師が着任して診療を開始し、発達外来も強化されました。さらに今年度は、内科医、外科医、整形外科医など、常勤医師が4名増加し、診療機能は目立って強化されました。ただ、本院の目指すところは「高度な診療を通じての地域のしあわせ創り」です。いたずらにミニ大学病院化を目指すことはしません。あくまでもコミュニティーホスピタルとして、「病気を診る」より、「人を看る」、「ご家族を看る」、「地域を看る」に重点を置き、高齢者診療・介護機能、在宅診療・介護機能をさらに強化して地域の皆様のご期待に応えたいと願っています。併せて、病院職員の持つ様々な能力、技術を活用し、地域の皆様に喜んでいただける、例えば「市民公開講座」や「出前講座」、さらには「ばら祭り」や「病院ホールコンサート」、「夏祭りと花火」のような機会も提供させていただきます。当院の今後にご期待いただくとともに、ご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
丸子中央病院
病院長 勝山 努