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新型コロナウイルス対策「こころの守り方」

投稿日時:2020/06/05

「コロナ疲れ」「コロナストレス」「コロナうつ」という言葉も聞かれるようになっています。この先も新型コロナウイルスに関連した心理的・経済的不安やストレスはまだまだ続く可能性が高いと思われ、それに打ち勝つ工夫や対策が必要です。

以下の5つの工夫を参考にして、自分にあった予防策を立ててみましょう。

①新型コロナウイルスに対する正しい知識をもつ


不安はゼロにはできません。ゼロにする必要もありません。正確な情報を掴み未知の部分を減らすことで不安は少し軽くなります。

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 人は未知の物や先行きが分からないことに対しては強い不安感を抱きますが、人間にとって不安という感情は生きていくうえで欠かせないものです。不安があればこそ、乗り物のスピードを出しすぎるなどの危険な行動を避けたり、失敗しないよう事前に準備したりします。感染の不安があるから、人ごみを避けマスクや手洗いをし、その結果感染するリスクが減ることになります。不安はゼロにできませんし、ゼロにする必要もないのです。
新型コロナウイルスは過去に経験したことがない未知のウイルスですが、この半年の間に分かってきたことも増えてきました。新型コロナウイルスに対する正確な情報を掴み未知の部分を減らし対応していくことで、不安感情は軽減され得るのです。

②心地良いと感じる運動をする

長野県は、ソーシャルディスタンスをとれる場所がたくさん!ウォーキングであれば1日7000歩~8000歩くらい歩くと免疫力が高まります。

【やってみよう!】おうちで体操

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 新型コロナウイルス感染拡大は、私たちの暮らしを大きく変化させました。思うように外出したり、旅行を楽しんだり、食事やおしゃべりを楽しんだりできなくなっています。外出を控え、自宅に引きこもる生活を強いられ、運動不足となっています。ウォーキング、ストレッチや柔軟体操などの有酸素運動は、骨量減少の予防、睡眠障害や生活習慣病を改善するだけでなく、免疫力をアップして感染を防ぎストレス解消効果も期待できます。
ウォーキングであれば、1日7000~8000歩くらい歩くと一番免疫力が高まるといわれます。だだし、人によって基礎体力が異なるので、自分が気持ちよいと感じるくらいの運動が良いでしょう。過激な運動は逆に免疫力を低下させるので、適度な運動を継続することが大切です。幸いに、上田市周辺にはソーシャルディスタンスをとりながらウォーキングできる場所が豊富に存在します。季節の花々や景観を楽しみながら歩いてみましょう。
自宅でできる運動やストレッチは、ラジオ体操やテレビ体操、YouTubeを参考にしてみてください。

③一定のリズムで体内時計を整える

体内時計の乱れを整える以下の7か条を守りましょう。

●朝起きたら光を浴びる
●起きる時刻を毎日一定にする(2時間以上ズレない)
●朝食を毎日とる
●運動習慣を身につける
●昼寝は午後3時までの30分にする
●お茶やコーヒーは寝る4時間前、夕食は寝る2時間前までにすませる
●就寝前は、携帯、パソコン、テレビなどの光(ブルーライト)を浴びない

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 われわれの全ての細胞は体内時計を持ち、その時計機構によって周期性ある生体リズム(概日リズム)がつくられ健康を維持しています。毎日決まって行ってきた社会的活動(日課)が失われると、体内時計は正しく作動しなくなってしまいます。現代生活はインターネットやスマートフォン、昼夜のメリハリのない不規則な生活や夜型生活などにより体内時計の乱れが起きやすい環境になっています。新型コロナウイルスによる慣れない生活スタイルはますます体内時計を狂わせ、不眠や食欲低下、元気がなくなるといった時差ぼけに似たような不快な心身の不調を生じさせます。更に、うつ病や生活習慣病やがんなどの病気を引き起こす可能性もあります。逆に、体内時計がスムーズに働くと質の高い睡眠がとれ、われわれは心地よさを感じることができます。

④人との交流を維持する

人と会う機会が減ると不安感や孤独感が募ってきます。LINEやSNS、電話を活用して安心できる人と話をしよう。

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 外出を控え人と会う機会が減ると不安感や孤独感やいらいら感が募り、家庭内でのいざこざが自然と増えてきます。対人交流が減ると自身の感情に気づきにくくなり、その結果、不安感や孤独感などが生じやすくなるのです。
直接会って話ができなくとも電話やLINEなどのSNS等を使って、自分が安心できる家族や友人と連絡を取り、今の気持ちをありのままに言葉や文章にして分かち合うことが大切です。安心できる人とつながっていることは、心の開放感につながります

⑤ニュース閲覧の制限

朝から夜まで流れている新型コロナ関連ニュース。中には不安をあおる内容もあります。ニュースとも上手く距離を保ちましょう。

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 朝から夜中まで新型コロナウイルスに関するニュースが流れています。目に見えないウイルスを相手にする不安、経済活動が停滞することによる生活への不安などから、ニュースについつい見入ってしまい気が休まりません。中には嘘の内容や不安をあおるような情報もあります。そのような情報を得る機会が多くなると、緊張や不安を更に大きくしてしまいます。つまり、新型コロナウイルス情報に翻弄されてしまっている場合があります。そんな時はコロナウイルス感染に関するニュースを見る時間を減らし、距離をとってみることは不安軽減に有効です。

ポスター

以上の内容をポスターにしました。ぜひご活用ください。

こころの守り方(PDF)

心が疲れないように

那須温泉診療所 見川医院の精神科医、見川泰岳先生からメッセージをいただきました。

 

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