脳神経外科
特徴
脳神経外科は、救急疾患が多く、脳卒中(くも膜下出血、脳出血、脳梗塞)、脳腫瘍、頭部外傷の診断や治療を行います。その他にも頭痛症、めまい症、認知症、正常圧水頭症などの診断や治療を行います。急性期の診断・治療から回復期リハビリまでをカバーします。
「脳神経外科専門医」とは脳神経外科領域の病気すべてに関し、昭和41年発足の専門医認定制度に基づき、初期臨床研修を含む6年間の定められた研修の後、厳しい認定試験に合格し、所定の生涯教育を継続していることを認定された医師です。
国民病とも言える脳卒中や頭部外傷などの救急疾患、また、脳腫瘍に加え、てんかんやパーキンソン病、三叉神経痛や顔面けいれん、小児奇形、脊髄、脊椎、末梢神経などの病気が対象です。これらの病気の予防や診断、手術的治療および非手術的治療、リハビリテーションあるいは救急医療において総合的かつ専門的知識と診療技術を持ち、これらの病気に対し適切な診断と治療を行い、必要に応じ他の専門医への転送の判断も的確に行える能力を備えた医師です。
「脳神経外科専門医」となるためには「専門医訓練施設」で所定の訓練をうけ、筆記試験に合格し、さらに口頭試問に合格する必要があります(「日本脳神経外科学会専門医認定制度」)。またその資格を維持するためには生涯学習を続ける必要があります(「日本脳神経外科学会専門医生涯教育制度」)。
参考 : 日本脳神経外科学会ホームページ
診療内容
下記のような症状は、脳神経外科で取り扱う病気である可能性があります。特に初期の段階では急を要する場合もありますので、脳神経外科への相談をお勧めします。
- 頭痛
- 頭のけが(頭部打撲、頭部挫傷)
- めまい、からだが浮くような感じ
- 手足のしびれ、手足の麻痺、歩けない
- しゃべりにくい、呂律が回らない、言葉が出ない、言葉が理解できない
- 物が飲み込みにくい
- 物が二重に見える(複視)
- 意識がおかしい、年月日や自分の名前が言えない
- 認知症
脳神経外科の対象疾患
脳卒中
脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など
脳卒中患者は150万人、医療費は2兆円、20年後には300万人と予測されています。
頭部外傷
脳挫傷、急性硬膜下血腫、急性硬膜外血腫、慢性硬膜下血腫など
救急医療として行われます。
脳腫瘍
良性脳腫瘍、悪性脳腫瘍など
脳由来のものと脳以外の組織由来というわけ方もできます。
機能的疾患
三叉神経痛、顔面痙攣など
痛みなどに対して劇的な効果を示す場合が少なくありません。
その他
正常圧水頭症、頭皮の脂肪腫など
脊椎・脊髄疾患
変形性頚椎症、頚椎ヘルニア、脊柱管狭窄症など
脳神経外科とは、脳、脊髄、末梢神経系およびその付属器官(血管、骨、筋肉など)を含めた神経系全般の疾患のなかで、主に外科的治療の対象となりうる疾患について診断、治療を行う医療の一分野です。脳神経外科的治療の対象になるか否かは、それぞれの時代により異なります。したがって、対象疾患として扱う病気は必ずしも固定されたものではありません。従来外科的治療がなされてきた疾患が医学の進歩のなかで手術を行わずに治療できるようになったものもありますが、かつて治療の対象にならなかった疾患や病態が手術によって治療できるようになったものもあり、総体としてみれば治療対象は確実に増えているといえます。
医師紹介
塚田 利幸(つかだ としゆき)
脳神経外科部長
専門分野 | 脳血管障害 脳腫瘍 |
取得資格 | 医学博士 脳神経外科専門医・指導医 日本脳卒中学会認定専門医・指導医 JATECプロバイダー ICLSプロバイダー |
所属学会 | 日本脳神経外科学会 日本脳卒中学会 脳卒中の外科学会 日本脳神経外科コングレス 日本脳血管内治療学会 日本脳ドック学会 |